スーパーウーマン、アスカの娘、ツバサ=フィオ=イカリ。今日も可愛くて明るいアスカママと一緒でご機嫌。
優しくて強いパパ、碇シンジは、娘には大甘の子煩悩。素敵なファミリー碇一家はどこでも羨望の的!
しかし、この一家には大きな秘密が隠されていたのです・・・。
そう、この家の2人の女性は、娘もママも、天才だったのです。(笑)
アスカ!25時
・・・・・・・・・・・・・第五話 「魔女達の宴」
お話の続き・・・・・。
ほんとはなんかずっとどきどきしてた。普通の子供で暮らしているのもすごくいいなあって、思った。
今度からは、まじめに見ようTV。ペーターエンジェルマン。正義の味方って事は、パパやママと同じ職業だもんね。
ガチャーン!そのとき、食器が派手にひっくり返る音がして、女の人の悲鳴と、男の人の怒鳴り越えが聞こえてきた。
同時にレストランの窓と言う窓が真っ暗になった。ここの窓はバーチャルリアリティ映像だったみたい。
一緒に、照明も消えた。中は真っ暗になり、みんな動きが取れないまま息を呑んでいた。
よく映画なんかではこういう時パニックになるんだけど、特に危機が迫っているわけではなかったし、子供が多かったので、
大人はむしろ冷静になろうと努力しようとしたんだと思う。私は世の中の人ってたいしたもんだと、ちょっと見直した。
所々で立ち上がって人もいたけど、其処此処で、
「落ち着いて!」「あわてないで。」
声を掛け合って静かに待っていた。
ほんの2,3分もしないうちに懐中電灯をもった職員の人が数人入ってきて言った。
「皆様方、大変ご迷惑をおかけしています。ただいま電気系統の故障でこのような状態になっております。」
「さっきの音や叫びはなんだったんです。」
「皿洗い機や、ダスターシューターが逆流したりで、カントリーで少々騒ぎがありましたが大事ございません。」
もう一人の人が大きな声で更に言った。
「誘導いたしますので、指示に従って屋外にお出になってください。」
みんなはぞろぞろと何事もなく外に出る事が出来た。だが、外に出ると大変な事になっていた。
乗り物が、空中や、ケーブルの途中で止まってしまっている。警備や、保全の人たちが必死で遊具の中から
泣いているお姉さんなんかを助け出している。
「これは大変な事になったな。」
パパも目を丸くしている。
(「でもこれはおかしいよ。この遊園地は3重4重に非常電源をもっているんだよ、パパ。
こんな事確率的に起こるわけ無いのに。これは、電源の故障なんかじゃない、コンピューターの異常だ。」)
「ツバサ、いいかい。」
パパが真剣な声で話し掛けてきた。
「パパはこういう非常の時はみんなを助けにいかなきゃいけない。ツバサは一人で待っていられるかい?」
「うん、私一人で待ってる。いい子にしてるよ。」
「ごめんね。じゃあ、あそこの迷子センターで待っていてくれるかい。」
「わかった。パパが来るまで待ってるから。絶対動かない。」
パパの目はちょっと涙ぐんでた。
パパは私を普通の子だと思ってるから、すごく心配なんだ。
でも大丈夫。私はママとおんなじ天才なんだもん。
「大丈夫、心配しないでいってらっしゃい。」
私はパパのおでこにキスをして送り出した。パパは何回も振り返り振り返りしながら、
逆さまになったジェットコースターに向かって走っていった。
「さてと・・・。」
振り返った私の目の前に、ダナルド・グースがたっていた。
「おじょうちゃん、どこへいくつもりかな?」
「私ね、迷子になったの。だからあそこの迷子センターにいくとこなの。」
5歳児らしく私は答えた。
「そう、でもあそこはもう一杯なんだよ。だから一緒に別の待ち合わせ場所にいこう。」
そのグースは、私を抱え上げて肩車した。外から見たら微笑ましいだけだろうけど、私はしまったと思っていた。
こいつはどう見ても私を意識的に狙っていたに違いない。パパと離れるのを待っていたに違いない。
第一、こういう非常時こそマニュアルが物を言うのだ。それに外れた行動は禁じられているはず。
子供の係はミディキャットとカサンドラマウスに決まってるんだから。
「ねえねえ、グース。私おしっこにいきたい。」
「え、しょうがないな。我慢できない?ええとトイレは・・・。」
ほら、これで職員じゃないのがわかっちゃった。職員ならトイレはラバトリーってしかいわないもの。
それに赤いきのこがトイレのマークって知らないはず無いじゃない。
「はやくはやく、でちゃうよ。あそこの赤いキノコのとこ行って!」
慌てて走り寄ったキノコのとこでしゃがみこんだので、子供バッグから強力催涙ガススプレーを出し、
思いきりぶち込んでやった。
シューッ!!
「ぎゃあああ!!こっ、こんがきい!!」
のたうつグース、私は一発蹴りを入れてやった。そして、一足飛びに逃げ出した。
周り中から、ばらばらと十数人の男達が飛び掛かってきた。
私は催涙スプレーを上手く使って何回か体をかわしたけど、2,30分も逃げ回った挙げ句、
とうとう押さえつけられてしまった。
「いやああああ!!だれかあああっ!!」
私はママに伝授された、「警報用マッハ発声法」で思いきり叫んだ。
「うわっ!!」
チャンス! 一瞬ひるんだすきに飛び出して其処を通りかかったお姉さん達の一団に助けを求める。
「助けて!あの人たちHなの!」
「何言ってるの、アスカ。帰りたくないからってそんな嘘まで、帰りますよ!!」
げ、おばさんまで用意してたのこの連中。
しがみついたワンピースから無理矢理引き剥がされそうになる。
「いやあああああっ!パパあああっ!!」
「ちょっと待ちなよ。お宅ら、ほんとにこの子の親かい。」
ピンクのワンピースのお姉さんは、私をひっぱっていた男の手を払い除けながら言った。
私はお姉さんの後ろに隠れた。
「あたりまえでしょう。私は碇アスカ。こちらが夫の碇シンジ。やっともらった大事な養子なのよこのツバサは!」
「ちがうもん、パパもママもちゃんと別にいるもん!みんなを助けに行ってるだけだもん!」
大声で思い切り否定した。
「そうだよね、ツバサちゃんのパパはもっと素敵なパパだったよな。」
「え?」
私はびっくりした。なぜ?何故私とパパを知ってるの?」
「みんな、こっちが悪人だ、いくよっ!!」
「おう!」
お姉さん達がワンピースを翻して一斉に男達に襲い掛かった。後ろ回し蹴り、二起脚、側端脚、竜頭拳。
みごとな連続技が次々と繰り出される。このお姉さん達なにもの?つよい、つよいっ!!
ママのほかにこんなに強い女の人を見るのは、初めてだ。
「こっ、このやろう。」
ピンクのワンピースを着たお姉さんの後ろで男の一人が銃を抜き出した。
「おねえさん!うしろ!」
叫ぶのと銃声が一緒だった。
でも悲鳴を上げて手を押さえてえているのは男の方だ。振り返ると、パパがこっちに向かって走ってくる。
手にママとおそろいのCZを持っている。
男は私がまた振りかえった時にはピンクのお姉さんの足元で倒れていた。
ついに、最後の数人は逃げ出した。
「あ、ありがとうございました。あの・・・おねえさんたちは?」
「わからなかった?ツバサ君。また、助けられちゃったね」
「あ、その声、さっきのエンジェルマン!!」
「そう、その正体がわたしたち。女の子だってナイショだよ。」
「ほんとに強いんだ。」
駆けつけてきた警備員さんとパパに、男達は回収されていった。
「ありがとうございました。ありがとうございました。」
パパが頭を下げて、ぺこぺことお辞儀をしている。
私と、エンジェルマンのお姉さん達は親指を立ててあいさつをかわした。
その後、パパはお礼にと言ってお姉さん達を食事に誘った。
中華料理やさんでお姉さん達は食べた、食べた。すごい食欲。私もいっぱい食べた。
「身体が資本だからねえ。」
って、お姉さん達みんな笑ってた。私も笑った。
お父さんもちょっと引きつった笑いを浮かべてた。
その晩、わたしはエンジェルマンになった夢を見た。
「シンジ、このクレジットカードの金額はいったいなんなの?!」
「ぁ、ぁ、それはね、アスカ。話せば長くなるんだけど・・・・。」
アスカ!25時(5)魔女達の宴・ 終わり