スーパーウーマン、アスカの娘、ツバサ=フィオ=イカリ。
今日も可愛くて明るいアスカママと一緒でご機嫌。
優しくて強いパパ、碇シンジは、娘には大甘の子煩悩。
素敵なファミリー碇一家はどこでも羨望の的!
しかし、この一家には大きな秘密が隠されていたのです・・・。
そう、この家の2人の女性は、娘もママも、天才だったのです。(笑)
アスカ!25時
第六話 -東野のスプリガン-
こめどころ
「パパぁ、はやくはやくぅ!」
今日はシンジとお買い物のツバサちゃん。
その、お人形さんのような容貌と、愛らしい言葉づかいがあいまって、すっかり商店街のアイドルだ。
春先、今年の商店街夏祭りのポスターは、浴衣姿のアスカとツバサという事に決まった。
この山の手の小さな住宅街には外国人も多いので、実に良いキャスティングといえる。
ところがこのポスター、最初は500枚刷ったのだが、あっという間に剥がされてしまった。
売って欲しいという要望が多かったため、5000枚刷ったら一枚2000円という価格にもかかわらず、即日完売。
商店会はこの夏祭にも即売会を行う予定である。ポスターの他にも5枚組みブロマイド、カレンダー、キャップ、
Tシャツやうちわ。中でも当日の撮影会の予約には2000人が申し込み書を送ってきた。
Net上でアンケートをとったら、まだ作ってもいないのに注文が殺到した。
「冗談じゃない、うちの商店街に2000人がきたら身動き取れんぞ!!」
急遽、商店街でない所にまで出店を拡張して対応する事になった。商店街はウハウハである。
しかし、碇家の面々はそんな事とはかかわり無く、至極のんびりと暮らしていた。
だが、こことて大都会新宿の隣り町である。変な連中が時たま流れ込んでくる。
「パパ!最初はね、八百屋さんでセロリと、レタスと、じゃがいもを買うんだよ。」
そのとき、絹を裂くような・・・いや、ぼろ雑巾を裂くような、おっさんの悲鳴が。
「だっ、だれかあああ!ひったくりだああ!!」
ツバサが振り返る。
猛然と走ってくる、黒ずくめの背の高い男。シンジはトマトの選択に余念が無い。
小銭を数えて商品とにらめっこしている。
「えーと、これはミートソースに使うんだから汁気が多い方がいいのかな・・・?」
「暑そうなカッコ・・・。」
ツバサは、トマトを掴むとシュッと手を一振りした。
パッアアアアアーーーーン!!
男の顔面で、派手な音を立ててトマトが破裂した。
どさっ。
白目を剥いて、そのままどっと倒れ込む男。
「このやろうっ!」
追いかけてきた、屈強な商店街の若者達が男を縛り上げる。男は真っ赤な顔のまま引き立てられていく。
「パパ、決まったの?」
「うん、セロリは一株がいいのかなあ、それとも3枚づつ束になった方がいいのかなー。」
「いいわ、私が選んであげるからね。ジャガイモはね、男爵とメイクイーンがあってね、夏の季節はね・・・。」
汗だくになってジャガイモを担いだシンジが家に帰ってくると、次はアスカが待ち構えていた。
「あっ、やっと帰ってきた。シンジーちょっと付き合って欲しいのよ。そごうの夏のバーゲンが今日明日で終わりなのよ。」
「ええ〜、それに付き合うの〜?」
「おねがいおねがい。最近はバーゲンは最終日とプレ最終日には売り尽くしのための特選品が出るのよ。」
綾波が目をきらきらさせて寄ってくる。
「あら、前は初日が勝負だったけど。」
「そこがデパートの知恵で、初日以降の客の動員数を維持するためには、と考えるようになったわけよ。」
「そう。最近のデパートってどうすればお得か知らないの。私もいってみたい・・・・。」
「何の真似ですか、お母さん達。」
「レイって、よびなさいって言ってるでしょ。」
胸座を掴まれる。
「そ、そうだったね、レイ。」
愛想笑いも痛々しい、シンジであった。
「じゃあ、車を出してくるよ。」
「馬鹿言ってんじゃあないわよ!シンジ、あんた女のプライドに泥を塗るつもりなのっ!」
「シンジって・・・。駐車場代金かけるなら普通に買った方が楽でしょう。特売・・・心踊る言葉・・・。」
「だからそれって何のパロディーなんだよっ!」
地団太を踏むシンジは完全に蚊帳の外だ。結局行き帰りの徒歩運搬要員にひっぱりだされる。
じりじりじり・・・。
真夏の太陽が容赦なくシンジに照り付ける。
女性二人は、涼しそうな袖なしのワンピースにつばひろの真っ白な帽子。。
長ズボンを履き、頭から湯気を立てているシンジ。帰りはこれに信じられないほどの荷物がのしかかるのだ。
「おい、いいからだせや。」
かすかな声だったがアスカとレイは聞き逃さなかった。
酒の空瓶が積み上げてある露地の奥。3人が入っていくと、ごついやくざが、高校生から金を巻き上げている最中だった。
「おっ、けっこう持ってるじゃない。」
「言ったろ、今日は大手ゼミの講習申込日なんだ。みんな持ってんだよなあ。」
「あんた達、なにやってんのよ。」
「お金を取ったら泥棒なのよ。」
ギクっとして振り返った男達だったが、細身のシンジと、女の子が二人。しかもアスカもレイも、ほんの高校生くらいにしか
見えないとなれば、慌てるはずも無かった。
「えいっ!」
アスカの鋭い前蹴りが飛ぶ。が、男は簡単にしのいだ。
「えっ、こいつ!」
「へっへっへっ。兄貴はなァ、空手ではちっとは知れたお人だったのよん。」
「け、詰まらん事でこう放ったがな。」
狭い露地の中で、巧みに蹴りと拳の連続業を繰り出してくる。技量が五分となれば力の無いアスカの方が不利だった。
「えーいい!!」
上空を軽々と飛び越えたレイが男の後ろに降り立ち、弟分のあごに蹴りを入れた。
「ぎゃっ!!」
ちんぴらが簡単に吹っ飛ぶ。しかし、次の瞬間レイも腹部に「兄貴」の蹴りを叩き込まれて後ろの壁に頭をぶつける。
「うっ!」
アスカはその隙を見逃さず、体を捻る所で、一瞬とまった男に正拳を胸板のど真ん中に叩き込んだ。
「ごふっ!!」
男は崩れ落ちた。
「ほら、授業料取り返したわよ。駅前のおまわりさんに届けておいてね。」
アスカが男の懐から申し込み金を取り返して男の子に渡した。レイもにこにこしながら起き上がってきた。
でも、おなかに男の足跡がくっきり。一転してがっかりするレイ。これでは買い物は明日に延期だ。
「きょうは、みんなで夕涼みのお散歩にいきましょ。ね、レイ。」
相次いで交番に担ぎ込まれたむさい男達にマコト巡査部長はてんてこまいだった。
「また碇一家のおかげで、東中野の平和は守られたわけだ・・。でもおかしいな。
なんでみんな眉間に500円玉の跡がくっついてるんだ?」
「おかしいわねえ。どうも今日の家計が合わないなあ。ちゃんと買い物のお釣と、
シンジのお小遣い申請が全部でてるのになあ。」
「いくら足りないの?」
「1500円。」
「パパ、何か無駄使いしなかった。」
「えええっとお・・・あ、朝パチンコにいって、1500円負けたんだった。忘れてた。」
「まったく、勝てもしないんだから、止めとけばいいのに。」
「そーよねー。」
ツバサとアスカの連合にたじたじのシンジであった。
アスカ!25時「東中野のスプリガン」おしまい。
シンジ君、おとこだねぇ、うんうん。
ツバサちゃんとアスカ、それに綾波さんまで、ぜーんぶちゃんと見守ってるんだねぇ。
こうして東中野は碇家の平和は守られてるのねん。
こうして強いシンジ君でも、ボクがボクがって出てこないところがやっぱりシンジ君ですねぇ。
ほのぼの碇家の日常を書いてくれたこめどころさんに、ぜひぜひ感想やリクエストを
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まこと