今日は!アスカよ!今日も読んでくれてありがとう!
ドイツの格言に「たとえ明日世界が滅びようとも今日私は庭にリンゴの木を植える」というのがあるの。
「あしたは明日の風が吹く」「宵越しの銭は持たねえ。」とは対極にある言葉ね。
今回のお話のタイトルはそういう意味です。それではお読みください。」
アスカ ! 25時
第七話 前編 -りんごの木を植えるとき-
こめどころ
ウラルマフィアと「青」の連合体。それは日本だけでなく極東から欧州にかけての平和にとって大変な脅威であった。
しかし、あと一歩の所まで追いつめたところで、手がかりの貨物船は爆破され、全ての手がかりは海の底に沈んだ。
それでも広域特捜部、軍情報部、内閣調査室は連携して必死の捜索を続けていた。
「まさか、貴様と組んで仕事をやる日が来るとはな。」
「世界が統一される事があっても情報部と内調と公安が相乗りになる日が来るとは思わなかったよ。」
「俺は確かに公安だったが、広域特捜は無関係だ。その辺の情報は修正しといてくれよ。」
「何いってる、あの碇家の巫女を担ぎ出してくるというのはさすがだな。」
「碇長官とユイ様の間には女子は恵まれなかったはずだったが・・・。」
「さすがは碇家。今の今迄隠し通していたとはな・・・・。」
「は、ははは・・・。」
まさかユイの霊体が活躍しているとは言えない加持であった。
(「こいつらにいくら話した所で信じるわけはない。がちがちのリアリストでなきゃ5分と生きていられん世界だ。」)
加持はいきなり頭をかきむしった。
(「俺だって気がくるいそうなんだよーっ!」)
「どうしたんだ、加持。」
残りの二人が驚いていう。ぜえぜえと息を切らせながら加持は息を整えようと努力する。
「いや、すまん。なんでもないんだ・・・。」
その頃彼の妻は、まったく動じる事もなく、アスカ達の家で昼間から酒を飲んでいたのであるが・・・。
「それでは、情報交換をはじめようか。」
「衛星からの調査に依れば、先日の爆発は小型の潜水艦からの魚雷攻撃であった事が判明している。」
「航跡が途切れているのは田子の浦港だ。あそこのヘドロに紛れ込まれてしまった。」
「あの中を潜っていけるという事はかなりの高性能推進機関を持っているという事だな。」
「あのあたり一帯にフロッグマン100名を動員してしらみつぶしに進入路を捜索している。」
「我々の情報源によれば、あの貨物船はあくまでサブコンタクトを行う場所だという事だ。」
「メインコンタクトの場所もあると?」
「可能性は高い。そのルートは組織内でなければ分からんが。」
「情報局はネズミを入れていないのか。公安は?」
「そういう貴様らはどうなんだ。」
「枝は挿してある。しかし今回使ってしまうと後が無くなる恐れがある。」
「まだそれはまずいだろ。」
「うちも同様だ。」
「わかった。どこだって虎の子のネズミを潰したくはない。後ほど重要な情報が入るのだからな。」
男達の話し合いはなかなかその決着がつきそうも無かった。
まさにその時、部屋の電話が、携帯電話が、そしてノックの音がした。
「なんだって?伊豆沖に?」
「巨大な怪物が現れて?」
「海軍や海上保安庁の巡視艇と交戦中? 3軍にも動員令がでたと?!」
「怪獣は伊豆沖から熱海を経て、三浦半島に向かっています。厳重な警戒をして、横浜、川崎、東京
関東一円の港湾沿い都市の方達はいつでも待避できるように準備してください。くりかえします・・・。」
TVのアナウンサーが眼を血走らせ、声を嗄らして叫んでいる。この日のためにアナウンサーになったかのようだ。
「ママ、怪獣が出たんだって。銀座に行くのは止めた方がよさそうだよ。」
「そうねえ。あそこは海に近いし。怪獣は必ず東京タワーとか国会議事堂襲うからなぁ。」
TVをみていたツバサとアスカはのんびりしたものだ。たしかに東中野は海岸線からは遠い。
「何があっても不思議じゃない時代だけれど、まさか怪獣が現れるとはねえ。ちょっと怪しいわね。」
ぎゅあああああああーーーーっ!!
怪獣が吠えた。
「皆さん、怪獣が吠えました。聞こえましたでしょうか怪獣が吠えています!これは映画ではありません!」
TVの突撃キャスターが舞い上がってキンキン声で叫んでいる。
そりゃ、吠えもするだろうよ。本物なら。
「あら、本物なのね。こりゃたいへんだわ。」
レイがお茶を飲みながら言う。その横でゲンドウがマグナムを磨いている。
「本物、という事はない。怪獣といっても生物である以上、食物も必要だしこれまで生き延びてくるためには
コロニーを形成できるだけの行動圏が必要だ。伊豆沖にそんな所があるか?第一あいつを生んだ親はどこにいる?」
「あら、夢の無い方。わくわくしませんの?」
「どこの誰が、あれをでっち上げて放ったかの方が俺には興味がある。」
「そんな事、決まりきってるじゃありませんか。」
「マフィアと青・・・か。まさかここまでやる力を持っているとはな。あの話与太話ではなかったようだな。」
「うちのアスカとツバサを、あいつらが狙っているわけですのね。」
「ああ。あのふたりの魂が必要だと言っておった。」
レイのからだから青白い炎が立ち上っている。身体中を細かい放電が走り回る。
「許すわけには、行かないですわね。」
「当然の事だ。」
ソファーに寝転んでいたラングレーがぼそっと答える。
「我々の可愛い孫と娘をあいつらに、指一本指させるものではない。」
アスカとツバサは2人で屋上に出た。このマンションは治安上の理由もあり、壁が高く外からは見えない。
二人はここでいつも組み手の練習をしていた。
「ツバサ。今日は久しぶりにあれで行きましょうか。この前のような事もあるし、必要になる日が来るかもしれない。」
「いいの、ママ。」
こっくりと肯くアスカ。ツバサは髪を後ろで束ねると、胸の前で手を組み、ゆっくりと呼吸を整えはじめる。
「・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・。」
「こいっ!!」
アスカの声が飛ぶ!
「はああああああっ!!」
七色の光がツバサの体を包む。揺らいだ身体の線がぼんやりと伸びていく。
手が、足が若木のように広がっていく。
「はっ!!」
ツバサが体を飛ばしてアスカの足を払う。右に体を開いてアスカがツバサの顔に正拳を突きいれる。
ふっと残像を残してツバサのからだが消える。とっさに前方に飛び込むアスカのいた場所にブン!と音を立てて
ツバサの蹴りが通り過ぎる。
スタッとその場所に立ちあがったツバサは身体にぴったりとした黒の半スパッツに同じ色の半シャツを着ている。
腰までの長い輝く金髪、水色の明るい瞳。15歳の頃のアスカにうりふたつである。
「かなりスピードが速くなったわね!」
「ママもさすがに現役警官ね。あの蹴りで決まったと思ったけど。」
「あ・まーい!」
二人は、がっと音を立てて組む。激しい組み手争いの後、左手首をつかんだアスカがツバサを投げ飛ばす。
どすっ。
激しい音を立てて背中から落とされ、ツバサの顔が歪む。
「ぐ、うっ。」
ろくに受け身が効かないアスカの激しい投げ。かろうじて足の裏だけで受け身をとって体を支える。
そのまま転がって力を逃す。
「いてててて〜。」
「だめっ!そういう投げを受けた時は投げられる最中に、体を捻っておかないともろにくらうわよっ。」
「は、はいっ!」
ぜいぜいと息を切らすツバサ。アスカは息一つ乱していない。
「さすがに、ママはつよい・・・。」
汗をぬぐったツバサはもう一度アスカに向かっていった。
アスカ!25時 第七話 前編 -りんごの木を植える時- 続く
怪獣が出現。
そして明らかにされたツバサちゃんの秘密の一つ。
おねがいです。見限らないで下さい〜。文句苦情ご意見は掲示板にお願いします。
こめどころ
あれ、あれあれあれ、いつもと違う書き出し、巫女?、 魂が必用??、怪獣??
いつもとちょっと違うアスカママとツバサちゃんの様子。
決意に燃えるゲンドウと綾波さん。
これは謎めいてきて、波乱の予感!!。折角平和な話が続いてたのにねぇ・・・・・。
さてさて話の続きが気になるところですが、それはともかく。
シンジ君はいづこへ??