スーパーウーマン、アスカの娘、ツバサ=フィオ=イカリ。

今日も可愛くて明るいアスカママと一緒でご機嫌。

優しくて強いパパ、碇シンジは、娘には大甘の子煩悩。

素敵なファミリー碇一家はどこでも羨望の的!

しかし、この一家には大きな秘密が隠されていたのです・・・。

そう、この家の2人の女性は、娘もママも、天才でその上魔女だった、のです。(笑)



アスカ!25(決戦予告編)
東中野のバルキリー



ツバサちゃんが小学校に通い出してからアスカは暇でした。

犯罪組織に狙われているツバサちゃんには常に3人のSPが張り付いていますので送り迎えの必要もないのです。


「暇だ・・・・。」


広い居間のムートンの上に寝転がってポッキーを齧りながら、アスカはつぶやきました。

このところ広域特捜部のアルバイトもお呼びがかかりません。アスカはほんとに暇を持て余していたのです。

外に散歩に行こうかとも思いましたが、東中野で犯罪行為をしても割に合わない事が知れ渡り、面白い事は

さっぱり起こりそうにありませんでした。

アスカは携帯電話をとりあげるとピポポパ・・・と叩きました。カシャっと誰かが出ます。


「はい!青葉です!」

「ちゅーす。アスカですが、犯罪捜査の御用はありませんかァ?」

「ア、アア、アスカかぁ???」

「そうよ!もう退屈でえ、なんかこうすかっとするような銃撃戦とかない?」


やばい!やばいよ!と、青葉は思いました。実は今、日銀本店に立てこもった犯罪団と銃撃戦の真っ最中だったのです。


「い、いや。用があったらまた電話入れさせてもらうよ。じゃあね!」

「あれ、きれちゃった。」

「み、みんなきけーっ、今日、アスカは非番で家で退屈している事が今分かった!」

警官隊にザワザワっと緊張が走ります。アスカが来る!それは一大脅威。何しろ一旦プッツン来てしまうと、アスカは敵も味方も・・・!!

「いいかっ!!いま10:30分だ!命が大切だったら12時のニュースまでに敵を全員逮捕だァッ!!」

「おおおおおおっ!!」


その直後からの警官隊の身を挺しての攻撃といったら、まるで「爆弾3勇士」のようでした。銃弾の下をかいくぐり、ライフルを撃ちまくり、

外壁を登り、高いところから飛び降り、壁をぶち壊し、バズーカを両手に持って銃機関銃を腰だめに撃ちまくり・・・。





「ちゅーす。アスカですが、犯罪捜査の御用はありませんかァ?」

「ア、アスカあっ!」


がたんと椅子が倒れます。今度は日向クンのところです。


「い、いや、今何もないんだ。何もかも順調だし、すまないな、わざわざ電話まで・・・。うんうん。じゃっ。」


実は今、日向くんは、しぶとい誘拐犯の尋問中でした。


「けっ、ええのう、若い者は。取り調べの最中にばしたから電話かい!」

「ばかやろうっ!!俺がおまえの命の心配をしてやったのがわからねえのかっ!」


温厚な日向くんの顔色が変わっています。さすがに男もただ事でないのを察した様子。


「な、何なんですかい、旦那・・・。」

「今の電話な、おまえみたいなチンピラでも名前は知ってるだろう。アスカ惣流ラングレー警部からよ・・・。」

「ひっ!」

真っ青になる男。アスカ惣流改め、碇アスカ警部・・・

「今、暇を持て余しているようだ・・・。おまえ、吐くなら12時前に吐けよ。12時のニュースが流れたらどうなるか・・・。」

「だ、旦那・・・なにもかも吐きます。」

「そうだな・・・、生きてさえいれば遣り直しは、きく。」




「ここもだめかあ。今日は平和なのねえ。そうだ、やっぱり最後は旦那様よねえ。」

ピポピパププ・・・。


「はい!碇です。」


ズキューン、バンバン!!3人の男が崩れ落ちます。


「シンジィ〜〜わたしよわたし。」


お次は横から飛び出してきた男の鳩尾にパンチを食らわせました。


「あ、アスカ〜何か用かい?」


ばっ、しゅっ。ナイフを振りかざしてくる男の喉に携帯の反対の手で突きがみごとに嵌まりました。


「ぐ、ぐえ〜!!」


見苦しく転げまわる男にカシャっと手錠をはめるシンジ君。


「退屈なのよお〜。なんか事件ない?、今なんか格闘の音が聞こえるみたいだけど?」

「うん、金町の偽ドル工場の手入れやってるんだ。今、格闘戦中だよ。」

「碇警部どのっ!全員逮捕いたしました。」

「あ、ごめんアスカ。終わっちゃったみたい。」


電話を叩き切るアスカ。


「なによっ!!自分ばっかりっ!!」


しかし、何も他に楽しい事は有りそうにありません。


「しょうがないな。晩御飯のお買い物にでも行くか。はぁ〜〜。」


つなぎに着替えて、一階に降り、サイドカーを引き出しました。エンジンの音も心なしか湿りがち。


「こいつも、すっかりお買い物バイクねえ。あわれにゃやつ。よしよし。」


同病相憐れむとか、脾肉の嘆とか言う言葉が浮かびます。

どりゅりゅりゅりゅ・・・どどどど。

低速時の独特なエンジン音。メインストリートからは加速して一気に高速に向かいます。ちょっと遠くまで走って、

退屈を紛わせようというのでしょう。


「へいへーい!お姉ちゃんカッコいい!!」


スーっと寄ってきたのは、まだ族デビューを果たしたばかりなのでしょう、見るからに軽そうな男。

いつの間にか周りを10人ばかりの渋いおっさんも入ったライダー達が取り囲むように走っています。

軽そうな男はいつまでもちょっかいを出してきます。アスカはちゃいちゃいと手を振ってあっちへ行けといいますが通じません。

その時、おじさん達が割り込んできてその男を横に押し出します。

若い男はあきらめて曲がって行きました。


「ありがとう。」


合図を送るとライダーの一人が、フードをあげて笑いました。あの趣味の悪いサングラスは・・・!


「司令!あわわ、お父様!!」

「退屈そうだな、アスカ!我々と一緒にツーリングとしゃれ込むか?」

周りにいるのは、ラングレー、キョウコ、ユイ、・・・・・。

片手でヘルメットを脱ぐとバサッと細かい豊かな巻き毛の髪があふれます。


「ハイ!!お久しぶり!アスカ!」

「フ、フラワーじゃないの!!するとこっちは?」

「もちろん僕さ、お姉ちゃん!」


きらっと歯を光らせて、弟のトラスが笑いかけます。


「この、他の方達は?

「いよいよ、マフィアとの戦いが近いようなのでな。天国で楽隠居してた方達に来ていただいたのだ。」


ゲンドウがにやりと笑う。





さあ、決戦の日は近いぞ!!






アスカ!25時/東中野のバルキリー/おわり



Mar.16.2000 公開

ホームページに戻る第七話 前編 リンゴの木を植える時こめどころ作品へ第拾話 後編 小学校へ行く へ感想くれるとうれしいな