敵の宇宙船は破壊しても破壊してもきりがなく現れた。現実問題として敵の宇宙船を艦砲で破壊できるのは、

私たちインセクターシップだけであり、全身にある50数個の砲門を開きっぱなしにして撃ちまくっていた。

その火線軸ををかいくぐるようにして、友軍の艦船が最後の別れの通信を吐き出し、船体を敵の攻撃で輝かせつつ

大型船に目標を定め突き進んでいく。集中管制システムで同時に30数隻の敵艦を叩き落としたが数が多すぎる。

巨大な熱核弾の大爆発のたびに、艦船の破片が膨れ上がる火球を背景に暗黒の宇宙に煌き、撒き散らされていく。

音のない宇宙の戦い。避けきれなかった大口径ビームと炸裂弾が私の身体を通過していく。

激痛とともに深緑色の体液が宇宙空間に吸い出され、飛び散っていく。「このおおっ!!」もう一度全艦全方向砲門斉射。

更に20隻あまりが吹き飛んでいく。が、敵もひるまず私を撃ちつづける。

体液の流出が更に激しくなる。後背部の「目」がすべて死んだようで、何も見えなくなった。

同様に左の腰の部分の感覚がまったくない。右腕も動かない。生きている砲門は既に30を切っているようだ。

最期が近いのか。船体に異常な微震動が続いている。

戦いつづける私たちの周囲に既に地球の艦隊の姿は無い。

戦闘に突入してから134時間。

 

既に4000隻近い敵艦船と7000機の攻撃小型艦を撃破していたが、私のレーダーにはまだゆうに10万隻を

越える敵艦が映し出されていた。

後部の推進装置の一つが,しぶきを上げ、砕け散った。思わず苦痛のうめき声を漏らす。

その時、右舷に青い船体が横付けされた。私と同じくすでに船体維持が限界まで来ているのが見て取れる。

外側から応急修復剤が大量に吹き付けられた。痛みが和らぎ、シンジからの通信を受信する。「アスカ!出て来てくれないか!」

シンジからの呼びかけに、私は頭脳体を艦首甲板にあらわす。

艦を包むバリアを支える磁力帯が、私の髪をまるで風が吹くようにたなびかせる。

私は自分の目で改めてシンジを見た。

黒い髪。たくましい青年の身体に幼い時の面影を残す穏やかな微笑み。私はその姿を美しいと思った。

そして同時に、私の金色の長い髪が、白く伸びた肢体が、丸い乳房が、シンジの目に魅力的に、美しく

見えている事を祈らずにいられなかった。

こちらの船体に飛び移ってきたシンジが、私の前に立つ。

二人とも何も身に纏ってはいなかったけれど不思議と恥ずかしさはなかった。

バリアの外で跳ね回る敵のリチウム原子弾の緑色の炎の揺らめきの中でシンジはじっと私を見詰めている。

「きれいだ。本当にきれいになったんだね。」

「は、恥ずかしい事言わないでよ・・・。・・・ありがとうシンジ。」私は消え入りそうな思いで、やっとそれだけをシンジに伝えた。

心から望んでいた言葉を口にしてくれたシンジ。私たちは互いに硬く抱きしめあった。

既にもうぼろぼろになっている私たちの甲殻に向かって降り注ぐ大口径レーザーの雨がしばし途絶えた瞬間、

私達はお互いの瞳をもう一度見詰め合った。言葉はもう何も要らなかった。

いつまでも、永遠にこの時この瞬間の想いを忘れまいと誓った。

どちらからと言うわけでもなく、吸い寄せられるように互いの唇が重なりあった。

心臓が跳ね上がるように鼓動を速めた。もう何もいらない。もう何も望むものはなかった。

私はシンジの漆黒の瞳の中に、震えているような私の顔を見た。「アスカ。」

「シンジ。」そして

足元から甲殻を割って溢れた、白熱した膨大なエネルギーの津波が、

抱きしめあって、もう一度唇を合わせている私たちを包んだ。

 

それは、遥か遥かな昔の記憶。

もう、その太陽系がどこにあったのかも分からないほど遠くまでやって来た。

星が生まれ、星が死んでいく。

光も届かない宇宙の果ての、この旅の基点。

 

 



星の彼方に見た夢は

第壱話 「はじまりのはじまり(4



ピ------------------------

ピ-------------------------

「うるさいなあ・・・・・。」

ピ------------------------

「いま、私は・・・・・。」

ピ------------------------

薄目を開くと、目の前を今、自分の吐き出した空気の泡がふわふわと上っていくところだった。「え?」無数のあかりが明滅する真っ暗な空。

あれは星・・?その瞬間、夜空に亀裂が走って、目に見えるすべてが二つに割れた。

ごばあっ。ザザザザザ----。

わたしの周りにあったと思われる暖かい水が床にこぼれ落ちていった。同時に温風が身体に吹き付けられた。

その風に包まれたまま、わたしは半身を持ち上げようと身体を横にした。

目の前には壁一面の機械がびっしりと並び、わたしを中心に取り巻いている。

それだけではない。

ここにこうしているだけで、外の様子も、この「身体」のこともすべてが「わかる」のだった。「私・・・・この身体だけでなく、このすべての機械、

・・・このすべての巨大な半有機体の固まりそのもの、なんだ・・・。」ああ、そうだ。

次第にはっきりしてくる記憶が私に語り掛けてくる。

記憶ポッドに別に保存されていた、「私」の記憶が「わたし」に、ほたほたと流れこんでくるにつれ、

次第にすべてが明らかになってくる。

台を降り立つと床に2本の足で立った。

足で立つ感触は久しぶりのような気がする。

ぴたぴたと、この台が放つ薄明かりの中を歩きまわる。

暗いな・・・

そう思った瞬間に部屋の床と壁が次第に明るくなり始めた。ゆっくりと。

それはまるで目をいたわるかのように。

わかっていた。これは目なんかじゃない。これは視野センサー。この鼻は嗅覚センサー。聴覚センサー。

バランスセンサー。触覚センサー。

この身体は特殊な軽量発泡合金の骨格に有機合成された筋組織と皮膚が貼り付けられて、中枢機能を

金属カプセルが覆っている、作られた肉体。

元の私の肉体はデータとして残ってこの合成有機培養体の素になっているに過ぎない。

だが、100%バイオ生産されたこの身体を自分の肉体とは思いたくなかった。

それはもうずっと昔に決心したことだったはずなのに、私はまだ踏ん切りが付いていなかったのだろうか。

そう。それはもう、数ヶ月も前に母さんと別れたときに地球においてきた未練だったはず。

なのに。数ヶ月・・・・?

戦い・・・・?そうだ私は・・・・ 装甲インセクタースペースバイオシップ0002.S-Asuka-Langrey。

特務艦隊弐番艦、アスカラングレー。私は周りを見回した。宇宙船の航行データが目の前に飛び出てきた。

−13896_03_23_22_36_29・・・・・・・・・「一万三千八百年前・・・・。」その数字を読むために初めて出したこの身体の声はかすれていた。

かろうじて残ったらしい自己再生機能が私と船体を再構成するのに要した時間。

それは私がこの辺境の宇宙で無為に過ごした時間そのもの。

 

空間座標を割り出した後、私は地球へ向かった。

私が漂っていた空間には1万年以上も前の戦いの痕跡は何も残されていなかったからだ。

私達がすべてを投げ出した戦ったその戦いの終末は、どうなったのか。見届ける義務があると私は思った。

私の船体を輝かせる美しい太陽はいつになっても見えてこなかった。

ここはもう木星の軌道を過ぎている。火星軌道を過ぎる。

私のセンサーは何も見出すことができない。

私の前に広がる 装甲インセクタースペースバイオシップの巨大な航海用スクリーンには、

万を越える星の瞬きがあるのに、たった一つの恒星の輝きを見出すことができない。1時間後船は太陽の座標に到着した。

太陽は死んでいた。冷たい、小さな、すべてのエネルギーを無理矢理毟り取られた哀れな恒星の亡骸がそこにあった。

奴等は、われわれの艦隊を滅ぼした後、太陽のエネルギーをすべて根こそぎ奪い取っていったのだ。

この太陽系からの移動手段がない限り、絶対に人類がここから逃れられないように。

太陽系周辺のすべてのワームホールは完全につぶされていた。

あいつらはやはり地球人を根絶するためにやってきてその仕事を完璧にやり遂げていったのだ。

私は呆然としたままその座標に何日かの間漂っていたこんな、作り物の身体になって戻ってきたのに。作り物の身体でも、涙は出るんだね。

 

そのあと船は、引き寄せられるように地球軌道へ向かっていった。

私の地球。

私の地球は。

 

太陽が消えた後の漆黒の闇の中に暗灰色の星が浮かんでいた。何ひとつ動きのない星が。

きらめきもなく、色もない、暗黒の宇宙と同様にこの1万年の間暗闇の中に沈み込んでいた星が。

そこにぽつんと、ただ存在していた。機関停止。私の身体たるインセクターはそこにとどまった。地球軌道上の暗闇の中。

時間だけが過ぎていった。昼もなければ夜もない太陽のない星の上空遙か。

生命の痕跡はこの高性能半有機戦闘艦の全センサーを以ってしても見出すことができなかった。

この宇宙空間に人間・・・・・私をまだ人間と呼んでよければの話だが・・・は私一人だけ。

この死んでしまった星と一緒に私もまた生命維持をカットして一緒に眠ってしまおうか。

この戦闘艦を埋めた異星の先住民達も、先シリウスの文明の終末期に同じ思いで艦を埋めたのだろうか。

この船の前のオーナーは、その頭脳体も含めて一体どこへ消えてしまったのだろうか。

この不思議な半生物は、紛れもなく宇宙航行用船である。

光か水の補給さえあれば理論上は殆ど不死の生命体。

自らの頭脳の代わりに私のようなインセクティバーを取り込んで頭脳体とする。

頭脳体があれば宇宙船はゆっくりと復活していくし、宇宙船があれば頭脳体は復元可能である。

両者共に壊れた場合はある程度船体が復活するが、頭脳体がなければ、その復活は中途半端なものになる。

すべての能力のおそらく5%くらいの力しか出せないのだろうと考えられていた。

何しろこの船体に正規にインセクティバーとして乗り込んだ人間は、私が初めてだったのだから、

予想の付け様もなかったのだ。

インセクティバーは当時艦隊内に3隻が就航していたが、どうやら生き残ったのは私だけのようだった。

「シンジも、逝ってしまったのかなあ。」誰に聞かせるためでもなく私はつぶやいた。せめてあの人が生きていたなら・・・。

私は顔を上げた。

そうだ。

地球と戦友のために、宇宙で一番派手な葬儀を上げてやろう。私にはその力があるのだ。

計画を演算すると可能なことであるのがすぐ分かった。

私はまず天王星と海王星の総質量とベクトルエネルギーと運動偏差を計算し、その軌道からはずし、

太陽に向かって押し出した。

木星もその後を追わせた。そのさらに後ろからギガトン級の熱核ミサイルを数発射出した。

元の太陽に比べると総質量でかなり見劣りするが、核融合は初期、かなり速いスピードで

進行するはずである。おそらく何百年かすれば、計算上8千万年にわたって昔のような太陽が復活する事だろう。

逆巻く海、穏やかな青い空。青い青い地球の姿をその時にまた見るために戻ってこよう。

私は、地球に戻り、その凍り付いた地表を探査していった。

ここだ。

この下に私の故郷がある。

ママを守って必死で生きてきたあの町が。

地表から約300mにわたって全星にわたって厚く凍り付いた水と固形化した大気の層の下。

あの生き続けている事さえ呪った日もあった、腐ったようなビル街のある、あの町。

生きるためには淫売以外はなんでもやったあの町。その町のマンションの17階に住んでいた。

見た目には決して汚れてもいなければ、不潔な町でもない。

パパが生きていたときには、あの町は私にとって楽しいところだった。毎日公園で遊び、

日曜には教会で讃美歌を歌っていた幼かった頃。

ひらひらした淡い色の服を着て、憧れていたボーイソプラノの男の子にちょっかいを出して遊んだ。

そんな淡い思い出と、思い出したくもない暗がりの中でうごめいていた日々が両方とも存在する故郷。

私にとってはほんの1年前に過ぎない1万3千年ぶりの故郷。

いや、帰路のあいだのU-効果加算も入れれば、すでに1万4千年ぶりの故郷だった。

すでに故郷と私はあの出発の日から、時間的にはとっくに切り離されているのだった。船から放熱を始める。

真っ赤な私の船体が小さな太陽のように輝き、直径1000mに渡って一気に厚い氷の層を溶かし始めた。

船底の「目」でその中を覗き込むと、もうもうと立ち上がる煙の中に次第に私のシティが、浮かび上がってきた。

「あの街だわ・・・。」船体が、ちょうど、ぶ厚い凍り付いた大地にうがたれた穴を塞ぐように覆い被さっている。

その穴の中で、街は次第に昔のままの姿を、濃い水蒸気の煙の中から現していった。

光と放熱エネルギーを調整し、私は軍の真紅の士官制服を身に付けた。

記憶槽の中に沈んでいた士官服は再形成されて私の前に現れ、初めてそれに袖を通した日と同様に

私の心を震わせた。

それを身に付けるとまだ凍っている大地の上に降り立った。

もうもうと立ちあがる湯気の中を、1万年ぶりに現れた街を私は歩いた。

どのような最期を彼らは迎えたのだろうか。

まるでその瞬間がなかったかのように、絵葉書の一シーンの様に街はそのままの姿で其処にあった。

シンジと初めて巡り合った教会。通っていた学校、いつも買い物に来たマーケット。ドラッグハウス。

そして最後に私は、私のマンションの入り口にいた。

2、3回ジャンプすると私の身体は軽々と17階の部屋のルーフバルコニーに立っていた。

部屋の中は、まだ分厚い氷の固まりの中にあった。扉を開けて外気が流れ込むと見る見るうちにその氷は

気化し真っ白な煙となって空に吹き出していった。

母は、静かに自分のベッドの中に眠っていた。

マイナス300度近い気温で、大気さえ一瞬に凍りついただろう、殆ど苦しみはなかったに違いない。

母の顔は安らかだった。それだけが私にとって救いだった。

バルコニーやベランダを回ってひと部屋ひと部屋、中を覗いて歩いた。くすんだピンクの絨毯。写真立ての笑顔。

マホガニーの食卓。質素なクロウゼットと昔風の空調設備。

まるで男の子の部屋のようにそっけない私の部屋もそのままで氷の中にあった。。

その部屋から高台に大きな桜の木が見える。毎年まるで松明のように聳え立つ薄桃色の巨大な炎の樹。

 

「あそこにしよう。」私はつぶやいた。

 

奇跡のように植物達は1万年ぶりの春を迎えていた。私は融けていく氷の街を毎日歩きまわった。そこかしこに

緑色の芽が吹き出していた。凍り付いた液体空気は、十分に植物達の細胞を保護していたのだった。その桜の

大木も見事に固く閉じていた花芽を急速に膨らましつつあった。

そしてさらに2週間後一気にやって来た春は町中の植物を一斉に開花させ、その中央にある丘の上の桜は見事な

までに満開の花を枝一杯に広げた。その夜、私は母をその桜の木の根元に埋葬した。

冷凍処理を解除した母の頬は生きていた時と同様に柔らかく、

私が頬擦りをすると、今にも母は目を開きそうだった。私は思い切り声を上げて泣いた。手を繋いで歩いた

幼稚園の帰り道。お迎えの雨の日。学区の発表会。卒業式に照れながらとった写真。そして父の葬儀で歩けない

母の肩を抱いて歩いた事。そんなものが一気に私の脳裏で渦巻いた。棺を降ろし、スコップで土をかけて埋める。

皮肉な事にもはや半合成の人でないものになっている私だから、それを一人きりで行えるだけの筋力があった。

純粋にあなたの娘ではない最早形骸となってしまっている私だから。

「さようなら、ママ。」1万年以上の時を越えて、確かに母は私の帰還を待っていてくれた。

私の頬を静かに温かいものが流れていった。母船のエネルギー照射、停止。街は元通り真っ暗な世界になった。

ここにもう私を待つものはいない。私はこの広大な宇宙で一人きり。

この故郷の町も、もはやただ崩れていきいずれは廃虚となるだろう。この街は私の思い出の中だけにあればいい。

現実にはもはやあって欲しくない街だと私は思った。

私は決心し、母船からビームを放った。

一瞬にして、桜の大木は、文字どおり炎の木と化した。その紅蓮の炎は真っ暗な世界にある唯一の輝き。

その明かりが真っ暗な死んでしまった街を深い影を落としながら照らしている。丘に立ち私は町を見渡した。

私の育った街。幸せも悲しみも背負った街。母船からの監視用カメラが捕らえている私は全身がその炎と一体に

なったように真っ赤に染まっていた。炎は次第に桜をのぼり、花弁が小さな炎をしょって無数に、そこに生じた

気流にのって暗い空にまき散らされるように飛んでいく。

その街を私は中空に浮かんだまま眺めていた。母船からの牽引ビームが、私をゆっくりと飲み込んでいく。

薄いブルーの蛍光ビームは私を次第に街から引き離していく。「さようなら、ママ。さようなら、私の街。」私は船に戻り、

艦橋のフルスクリーンを開いた。街が、暗い半球の中に一ケ所だけ赤く瞬いて見える。

そこに大型の非放射線タイプミサイルを発射した。数秒の後、赤い光は瞬間輝き、かき消された。

地球の反対側に廻り込むと、天海木の3連星に火が入っているのが小さく確認できた。あのトライスターが

数十年後には太陽の位置に4重星の固まりとなって燃え盛るだろう。

運がよければ、再び地球が蘇るかも知れない。と、再び私は微かな期待を持った。「さあ、これから何処にいこうか。」

何処に行こうと気楽な一人旅だ。水は、地球でたっぷりと補給した。差し当たり銀河中央に向かってみるか。

その瞬間だった。後方確認のレーダーが警告音を発した。ウラヌスの軌道を高速宇宙船が通過中だった。

異星人?私は髪の毛が逆立つような敵愾心が溢れるのを感じ、同時に全ての武装がその宇宙船に照準を向けた。

「 装甲インセクタースペースバイオシップ0002.S-Asuka-Langrey。特務艦隊弐番艦、アスカラングレー。

こちらは 装甲インセクタースペースバイオシップ0001.S-Ikari。特務艦隊弐番艦、Sinzji-Ikari。

通信回線を開いて!アスカ!生きてたんだねっ。僕だよ、碇シンジだよっ。」私は耳を疑った。シンジ、シンジですって?

「この馬鹿シンジ! 一体今まで何処に隠れてたのよ。」私は、自分の声がもうすでに潤んでいるのに気付いていた。

どんなに気をつけても、声が裏返って泣き声になってしまう。「どこに、どこにいたのよ。う、うっ、うっく。う、うう〜〜。このばかぁ。」

「泣かないでアスカ、今すぐ、今すぐそこに行くからね。待っててッ。」シンジの船は既に木星軌道を越えていた。

その船影がはっきりとレーダーに感知され、懐かしい白と紫の機体が

スクリーンに写し出された。

それに反応するように私の真っ赤な船体は「うおおおおおぉぉぉ〜〜〜ん」と船体を震わせて叫んだ。

 


星の彼方に見た夢は。はじまりのはじまり4


Sep.24.2001 公開

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